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ある日のJP3の練習風景の観察日記
カテゴリ:スクールトピックス | 2018.07.26
みなさん、こんにちは。
東急あざみ野テニスガーデンのJPブログ担当の今福です、
今回は、ある日のJP3の練習風景の観察日記を、写真多めでお送りします。
JP3は1番下のクラスです。
まだ、関東テニス協会公認の試合に出ていない子も多いので、JP2やJP3の練習と比べると、基本的なドリルが多い印象です。
始まる前、選手たちはランニングや準備体操を各自済ませておきます、
サーブ練習
最初はサーブ練習から。ボール投げから始まり、ラケットでボールを遠くへ飛ばしたり、手前に叩きつけたりして、体の使い方や腕の振り方を確認していきます。遠くへ飛ばすのは、全身を効率良く使うことを覚えていくためです。特にまだ厳密な結果を求める必要がないJP3は、全身をまんべんなく使えるようにしておくことが大事なのでしょう。
ボールを手前に叩きつけたるように打つ練習は、打点を高くしつつ行います。この練習を通じて、手首以外の関節を動かしたり急激に止めたりしながら、手首が素早く動くという、いわゆるスナップを利かせるという方法を学べます。この練習は毎回行うので、特に細かい指導はなくとも、毎回積み重ねることによって、サーブの動作はアバウトではありますが体に染みついてきてるな、と取材を重ねて感じました。
それらの練習のあと、通常のサーブ練習。
今日は、サービスリターン練習もあわせて行いました。
挨拶、目標発表
そのあと、いったん集合して、挨拶と今日の目標を発表します。
私見の余談になりますが、テニスは人間しかできませんよね。他の動物がランキング入りしたという話はまだ聞いたことがありません。そのひとつの理由として、人間は“ことば”を手に入れたからだと私は考えます。当たり前だろうという声が聞こえてきそうですが、この事実はもっと活用されていいと思っています。この年代の子たちにも、自分の目標やプレーを“ことば”にして、そこから幅を拡げていく。
一般的な例に置き換えてみます。
コップということばを覚えた子どもに、ビールジョッキやコーヒーカップやワイングラスや升などを見せたり触らせたりする。その子どもは、最初のうちは全部コップと呼びますが、大人から指摘されたり、周りの人たちのことばを真似したりして、徐々にことばを使い分けていき、そこを入口にしてビールジョッキの重みやコーヒーカップの持ち方や升の触感などを覚えていく。そうやって彼らの世界が広がっていくのです。テニスも同じ。テニスに関しては後述します。
さて、目標発表の話しに戻ります。
二人一組で発表しあうので、同時多発の発表になり、全部を聞くことができないので、今日は一人の選手が「試合で守りのショットばかりになるので、試合やるときに攻めていきたいです」と言っていたのを、秘かにチェックしておきました。
“攻める”ってなんだろう。
ショートラリー
さて、次はショートラリー。ボールで作った的を前に置き、お互いの前にある的を狙い合います。
ラリーをしている人同士がチームになって、どのチームが1番先に両方の的を崩すかを競い合います。ラリーしている人同士がチームである、というルールに早く気づけるかどうかが鍵です。そこに気づいたチームはやり方を工夫します。
よくあるのが、どちらかに当てさせるために、片方の子はサポートに徹する作戦。
「フォアかバックどっちがいい?」
「もっと短いボールにして」
とリクエストをお互いに聞いたり伝えたりします。そうやって当てやすくします。
全員が同じ作戦を取る訳ではないのですが、やはり、なにがしかの作戦を立てている子たちの方が、当てるのが早い傾向にあると思います。
ストローク打ちっぱなし
コーチが出したボールを、左右や前後に動いて打ちます。このような作戦のいらない単純な練習ほど、集中力を保てるかどうかが大事になっていきます。漫然と打っていては、練習の効果も半減します。
↑こちらは、同じボールを下がってワンバウンドで打つ、下がらずにノーバウンドで打つを繰り返す練習です。同じボールに対して、打ち返す手段のバリエーションが増えることは、ゲームの中での作戦のバリエーションを増やす土台となります。
ボレーの打ちっぱなし
↑今日のJP3担当の窪田コーチ。
遊んでいるわけではありません(笑)。
「このラケット面に、手で投げてボールを当てたら、ボールはどうなるでしょうか?」
1) 当たった後も、投げた方にボールは飛んでいく
2) 当たった後、ボールは真下に落ちる
3) 当たった面の向いてる方向に跳ね返る
読者の皆様も、5秒以内にお答えください
ゴォ
ヨォン
サァン
ニィ
イィチ
ゼローっ
答えは3でーす。
結構、しっかり跳ね返ります。
それだけラケットやボールに反発力があって、ボールの方が軽いから。
つまり、手に力を入れなくても、ボールはラケット面が向いてる方向に飛ぶのです。
その正解を踏まえて、ボレー練習。
みんな途端に力が抜けて、上手く当たり始めたり、ボールが飛び始めたりします。
さすが窪田コーチ。
そのあと少しだけ、スマッシュ練習が入りました。
球出しからのポイント練習
最後にゲーム要素を入れて、コーチの球出しから一面を使ってシングルスのポイント練習です。7点先取で交代。
ここで、前述した目標、最初にチェックしておいた「守るだけでなく、攻めていきたいです」という目標を、思い出させるようにしてみました。
他の人がラリーしてるのを見て
「今は君なら攻める?」
「いや、守る」
「これは?」
「いや、これも守る」
「じゃあ、これは?」
「これなら攻める」
そんなことを話してるうちに、他の子たちも「これ、攻めるー」「これはどうかなー」と言い始めました。
そこで、窪田コーチがいったんみんなを集めて、話し始めます。
「攻めるってなんだろう?」
先ほど挙げた、“ことば”の例で言うと、コップが“攻める”です。
子どもたちは、“攻める”ということばの仲間を探し始めます。
「強く打つ」
「スピンをかける」
「フラットに打つ」
これらのことばが、また次回の球出し練習に思い出されて、練習のモチベーションのきっかけになるかもしれません。
窪田コーチ
「それ以外にないかな?」
「コートのはじっこに打つ」
なるほど
窪田コーチ
「人のいるとこに打つ?」
みんな口々に
「いないとこに打つー」
窪田コーチ
「じゃあ、次は片方の人はフォアしか使ってはいけません。もう片方の人は、どうすれば、いないとこに打てるでしょうかっ」
こういう制限(ルール)を設けると、逆に子どもたちは創造力を拡げ始めます。全く自由にしてしまうと、ただ好き嫌いが選択の基準になってしまい、逆に創造力は働かなくなるものです。
片方のプレーヤーがフォアしか打てないとなると、反対の自由に打てる方は相手のバックを狙い始めます。しかし、案外コントロールが上手くいかずにエラーしてしまう。そこで、いったんフォア側の方にボールを打って種をまいておくようになる。そうすると、バック側のスペースがたくさん空いて、次にバック側を狙いやすくなるのです。(何を言ってるのか、よく分からない方は直接今福まで聞きにきてください笑)
そういうところに、どんどん気づいていくようになります。発見は上達の1番の促進剤です。
コート整備
これで、今日のレッスンはおしまいです。使ったコートは、次にJP2の子たちが使うので、次の人たちのためにコート整備をします。ボールが1つも落ちてないようにきれいにして、次の人たちにコートを明け渡します。
Fan Up
JP3の選手たちは、レッスンが終わったあとFan Upを利用できます。
(Fan Upに関してはこちら↓)
(http://www.tennisuniverse.co.jp/school/azamino/blog/201711/3238/)
(JP2や1の選手たちは、レッスンが始まる前に利用しています。)
↑各関節の可動域を広げるためのストレッチマシン。
↑ボール投げをしながら、サーブの手首の動きを学びます(手のひらが外側にひっくり返ってますよね。この動きが大事!)
まだ体の小さい子は、トレーニングしても大きな変化は見えにくいのかもしれません。しかし、変化はなくとも、練習の後にトレーニングやストレッチをするという“習慣”を身につけさせることができるのです。大きくなれば自然と、トレーニングやストレッチの効果は出てきます。今のうちは、トレーニング効果そのものよりも、習慣をつけておくことが大事だと思います。
さて、JP3はここまで、合計3時間の練習&トレーニング、ストレッチで終了です。
いかがでしたか?
これからも選手の様子が伝わるような記事を書いていきますので、お楽しみに!
JP2やJP1の選手たちは、試合シーズン真っ最中です。そして、8月12日には新たなチームメンバーを決めていくセレクションもあります。
次回はその辺を取材して、お伝えしていく予定です。こちらも、お楽しみに!
東急あざみ野テニスガーデン 今福茂雄
http://www.tennisuniverse.co.jp/school/azamino/
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