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ジョコビッチの強さ
2015.04.20
いつもお世話になります。
松岡修造を超えたい男です。
先週行われたモンテカルロオープンは、世界王者ノバク・ジョコビッチが、トマーシュ・ベルディヒを接戦の末に破り優勝しました。
いやー最近のジョコビッチは、その強さに円熟味が出来てきました。
僕も、ナダルとの準決勝をみましたが、ニュートラルのラリーでナダルを押し切るストローク力は、本当にすごいです。
ジョコビッチは、コート後方でのプレイが重点的なアグレッシブベースライナーですがオールラウンドなプレーも出来きます。最大の特徴である深く鋭い グラン
ドストロークを、フォア・バックの差なく打ち込めます。また、優れた敏捷性と広い範囲を動ける守備力を持つことで知られ、サーブとリターンも共に強力
で、非常に高いレベルでバランスのとれたプレイヤーです。
しかし、ノバク・ジョコビッチの最大の特徴は、その類まれなる成功に対する願望の強さではないでしょうか。
ノバク・ジョコビッチはセルビア人です。
両親は、セルビアのリゾート地でレストランを経営していました。
そのレストランの目の前にあったリゾートホテルにはテニスコートがあり、そのテニスコートを整備する人に飲み物を運ぶのが、幼き日のジョコビッチの仕事でした。
そのお礼にテニス無料レッスンを受け始めたことが、のちの世界王者がラケットを手にしたキッカケです。
そして4歳の時に運命の出来事が・・・
モニカ・セレスのコーチも務め、ニューヨークタイムズに世界一のコーチとして評されたエレナ・ゲンチッチが、このテストコートでテニスキャンプを 開催する機会ありました。
その時フェンスごしに毎日何時間も眺めている少年がいたのです。
ゲンチッチは好奇心から、その少年にテニスのレッスンを始めました。
そしてすぐに『この子は世界ベスト5に入る才能を持っている』と気付いたのです。
それから、ジョコビッチのテニス人生が始まりました。
10歳の時、もうすでに頭角を表しつつあったジョコビッチにTV取材の記者が「君はテニスを仕事としてやっているの?それとも遊び?」と聞いたこ とがありました。
ジョコビッチは、「僕はテニスを仕事としてやっているんだ。僕は世界No.1になるんだ」と答えています。
この頃から、もうすでにジョコビッチには成功への強い願望があったのです。
しかしここまでなら、よく聞く話のレベルです。
ジョコビッチには、成功への願望をさらに強くする大きな出来事がありました。
セルビアではコソボ紛争が始まってしまいました。
ジョコビッチは、のちにこう語っています。
「ほぼ毎日、頭上を飛行機が通り過ぎて行くテニスコートで1日を過ごしていた。11歳の時、78日間も地下室で過ごさなければならなかったんだ。 誕生日も地下室だった。私や国の仲間たちがくぐり抜けたあの時期は、間違いなく誰にも
経験してほしくないものだ」
そこでジョコビッチの両親は、ドイツにテニス留学させることを決意します。
しかし現在50億円近い年収手にするジョコビッチとはいえ、当時は優秀な一人のジュニア選手に過ぎません。
留学の費用を工面するための、両親の苦労は大きく、様々な人、親戚、果ては高利貸しからも借金をしたそうです。
そんな時、両親がいつもジョコビッチに言い聞かせていたことがありました。
「コソボ戦争がはじまり、セルビア人の世界的信用が失われつつある。でも戦争というのは、我々一般市民が起こしているのではなく、高度な政治的要因いよって起きているものだ。ノバクにはミッションがある。お前が世界No.1のテニスプレイヤーとなって、セルビア人の名誉を取り戻すのだ」
ジョコビッチは10代の前半にして、同世代のテニスプレイヤーとはあきらかに違う次元の思いを持ってコートに立っていたのです。
ジョコビッチは、10代を振り返りこう述べています。
「私の幼少期のセルビアは戦争中で、子ども達には選択肢がなく、夢をあきらめざるをえませんでした。しかし、何があっても私は世界一のテニスプレーヤーになるというミッションをあきらめるわけにはいかなかったのです。」
ジョコビッチには、生まれつきの高い身体能力、テニスへの適性があったことは言うまでもありません。
しかし、彼がミッションを遂行するために、立ちはだかったのは、史上最も優れたチャンピオンたちでした。
レコードコレクター・史上最高のテニスプレイヤー ロジャー・フェデラー全仏オープン9度の制覇・クレーキング ラファエル・ナダル
皆さんは知っていますか。
2004年2月2日にロジャー・フェデラーが世界No,1の座について以来、今日まで586週が経ちますが、そのうち443週を二人のチャンピオ ンが独占してきたのです。
この偉大なる二人のチャンピオンの上に位置することがどれほど難しいかは、長年テニス観戦をされている方なら、よくお分かりだと思います。
しかしジョコビッチ、その超高難度ミッションを遂行し、143週間世界1位を守っています。
そんなジョコビッチにとって、最後のミッションとも言えるのが、全仏オープン制覇!!
最高難易度であることは言うまでもありませんが、今まで多くの難題を超えてきたジョコビッチなら、必ずやり遂げでしょう。
注目の全仏オープンは、5月の4週目開幕です。
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「苦境と言えることもありましたが、それは当たり前のこと。
成長するための学習過程なのだと思います。
発展のためのね。それを人生の大きなレッスンだと受け入れれば、
将来の成功のためには適切な考え方だと思います。」
ノバク・ジョコビッチ
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昭和の森テニススクール 伊藤
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